冗談交じりに拗ねたような森ちゃん。





「体型維持するために頑張ってるの。」


「頑張らなくていいと思います!」




それからも森ちゃんの恋愛相談を聞いたり、オススメのスイーツやテレビ番組の話してたら、完成です。とケープを外される。





「森ちゃんってやっぱり凄いね。さすがプロ。」


「私はまだまだですよ〜。」





いつもなら一緒にスタジオへ向かうんだけど、先に行ってて下さいと言われたからメイクルームを出る。





「お疲れさまです。」





メイクルームを出たところで、秘書課の人とばったり合い挨拶を返す。





何度か会う事があるんだけど、なんて人なのか名前がわからない。




きっちりとスーツを着こなし、髪の毛は一つに纏められあまり表情を出さないこの人が私は少し苦手。





「――――――いいですね。」


「え?」





すれ違う時、呟かれた言葉に立ち止まり振り向く。