紗衣と鈴は本当に可愛くて、目に入れても痛くないほど。





向かいに座る親父のキツい視線を感じつつ、頭の中で自分の行動を繰り返し再生するたびため息が出る。





「母さん、鳴海さんから電話だよ。」


「えっ、鳴海さん!?」





受話器の通話口を手で塞ぎ声をかける弟の声に顔が上がる。





お袋が慌てて立ち上がり、小走りで向かい受話器を受けとる。





「お電話変わりました、こんばんは。………いえいえ、謝るのはこちらの方です。本当に申し訳ありません。………そんな、章菜さんは悪くないんですから。………ええ、お待ちしております。わざわざすいませんでした。」





ガチャンと電話を切ったお袋は大きなため息を吐き、鬼の形相で俺を睨みつけた。





「全く、あなたって人は!明日、鳴海さんがわざわざいらっしゃるみたいよ。本当は私達がいかなければならならいのに、いつまで座ってるつもりなの!」