ハッとドアの方へ視線を移せば雪菜と朔夜、それにスタッフさんも数人いた。





「雪菜っ、救急車!紗衣が、紗衣がっ!」





そういうと、こっちに来た雪菜は紗衣に視線を移し、私が手に持つ携帯を抜き取り電話をかけはじめる。





救急車が来ると少しばかり安堵した私は段々怒りが浮上し、今するべきことではないのに真子先生に詰め寄った。





「許さない………絶対あんたを許さないわ!」





オロオロし、目を泳がす真子先生の姿が癪に障り文句を言うだけじゃ物足りないなくて、思いっきり頬を叩くと鈍く重い音がした。





「章菜っ、何をしてるんだ!そこまでしなくてもいいだろっ。」


「朔夜っ!お姉ちゃん……。」


「…………もういい。」





雪菜の言葉を遮り小さく呟いた。




朔夜の言葉に愕然とした。





私だって、今は真子先生に文句を言うより子供たちの傍にいる方が先決なのはわかってる…………なのに、朔夜の発したものに子供たちの安否を確認する言葉が一文字もなかった。