「早く行かなくちゃ」 海に潜り、拓也の元へ加速した。 「なぁーに、コレ?」 しばらく泳いでいると、突然下から声が聞こえた。 その声の主は浮上し、私の目の前に現れた。 「…ザック……」 無邪気な笑顔で此方を見ているのは、東の海の王子であるザックだった。 「お散歩かしら?」 勿論、そんな訳が無い。 「僕が聞いてるんだ」