「人間の……血?」


マーゼラは口だけ笑って頷いた。


「ただし、ソフィア。お前の愛する人間の血だ」


拓也の…血。


「お前に持って来れるかい?」


その口調から私を試している事が窺える。


最初はニーニルから逃げるつもりで人間になりたかったのだが、今は拓也の傍に居たいから人間になりたい。


でもその為には拓也の血が必要。


私に愛する者を傷付ける事は…出来るのだろうか。


「さぁ…コレに数滴。愛する人間の血を持って来な。そしたらソフィアの願いを叶えてやる」


骨が浮き出たマーゼラの手が私の手を取る。


マーゼラは私に小瓶を渡した。