…いったいどうしたら。 私に出来る事…。 城を飛び出し北の海へ向かった。 北の海には魔女が居る。 …そういう噂を聞いたことがある。 もし本当に存在するのだとしたら、もしかしたら私は陸に逃げる事が出来るかもしれない。 そしたら拓也と一緒に居られる。 「待ってて拓也。私は足を手に入れて帰ってくるから」 空には満月が昇り、海の中は真っ暗闇だった。 でも月明かりのお蔭で少し先までなら見えた。