「そういう訳にはいきませぬ」


頭を上げたグレーノンは顔をしかめた。


どういう訳か、私はグレーノンには逆らえない。


少し遅れちゃうな…拓也ぁ…早く会いたいなぁー…。


「分かったわよ」


渋々グレーノンに付いて行き、お父様の部屋へ。


この城の最上階にある一番大きな部屋がお父様の部屋。


私の部屋はその下に位置する。


「ねぇ…何の話なの?」


前を行くグレーノンは何も答えてはくれなかった。