「拓也は釣った魚を持って帰ったりしないもん。だから大丈夫!…私見たいなァ」 ソフィアはねだる様な顔で再び俺の顔をまじまじと見つめる。 「じゃぁ明日は釣りデートなっ」 両手でリールを巻く真似をしてみせる。 「ホントに!?わーっ嬉しいなァ」 ソフィアの顔は本当に嬉しそうだった。 俺が釣りをすることに父さんも母さんも快くは思っていなかった。 いつも釣竿を持って部屋を出ると、勉強しろと怒られていた。 けど俺が釣りをする事で喜んでくれたのはマーメイドである、ソフィアだった。