でも隣で鼻歌を歌っているマーメイドは胸に貝殻を付けていなければ、ヒトデも乗せていない。 ソフィアの身体を覆っているのはエメラルド色のウロコだけ。 その姿は官能的ではなく、神秘的で見とれてしまう程美しかった。 「何見てるの?」 俺の視線に気付いたソフィアが不思議そうな顔で俺を見つめる。 「いや・・・綺麗だなァって思って」 恥ずかしくなって頭を乱暴にかく。 ソフィアはそんな俺を見てクスリと笑った。