学校が終わり帰宅すると、直ぐに釣竿を持って海へと急ぐ。


俺は釣りが趣味のどこにでも居る一般的な高校生。


夜のバイトまでの時間、いつも釣りをしている。


歩きながら目の前に広がる海を見つめる。


沖縄の午後の海は誰も居ない。


歩いて5分、お気に入りの場所へ到着。


オレンジ色の夕日は、フライパンの上で溶けるバターの様に海へとゆっくり溶け始めている。


俺はお気に入りの岩場から見る、空も海もやわらかく微笑む夕方の風景が大好きだ。


漁をする船も無いので、この時間に海で釣りをするのはいつも俺だけだった。