唇を離し、閉じていた瞼を開く。


夕日は消え、辺りは月明かりが支配していた。


真剣な顔をした拓也が私を見つめる。


「た…くや、私の事…分かる?」


拓也に私の記憶があるのだろうか…。


拓也は私の質問に驚きながらも、優しい微笑みで頷いてくれた。


あぁ…上手くいったのね。


安堵の溜め息を漏らす。


私は拓也の肩に手を置いて、バランスを取りながら“左脚”を上げる。


「おぉっ!」