そしてやっと…
俺が行くはずだった、
2010年12月24日に辿り着いた。


「堺くん、とりあえず中に
 入ったら自己紹介してくれ」

港第三中学、3年6組の伊坂先生に
教室のドアの前で言われた。

「はい、わかりました」

普通、こんな時期に転校生なんて
来ないだろうという時に、
俺は茜のいる、この学校に転校
してきた設定になった。

ガラガラガラ…

初めて抵抗のあるドアを開けた。

…やっぱり、200年も違うと
全部違うんだな。

「みんなおはよう、
 今日で二学期も終わるが
 転校生がやって来てくれた。」

伊坂先生はそう言って、俺を見る。

俺も教団に立つ。

「はじめまして、オーストラリアから
 日本に帰って来た、堺凪良です。」

すっごいでたらめだと思う。

自分で考えたのに、自分で笑える。

でも、この方が都合がいい。

「僕は、時和多高校の推薦を
 もらっているので、地元の
 この、港第三中に転校してきました」

なんとなく説得力にある話。

ただ一人、疑惑の目で見る奴がいる。

西脇茜。

何故、俺がここにいるのか全部知ってる。

「じゃぁ堺くん、後ろの席に着いて」

先生に誘導されて、教室の後方にいく。

一番前の席に座っている、茜と目が合った。

何か言いた気だ。


休み時間。

俺は色んな人間に囲まれて、
立つ事も出来ない。

遠くで、茜が俺を見つめる姿が見えた。

俺は、なんとか周りの奴等を
かわして茜の元に行った。