プリクラ童話


一ページめくる前から、なぜか泣きたくなる。

やるせない気持ちがたどり着く場所。

何て言えば良いのだろうか。
虚無や絶望も違う、どっちかというと歯痒さや焦れったさ、もどかしさや後悔、そんな感じかもしれない。

どうしようもない感情に支配された体は――ゆっくりと禁断の書へと手を伸ばしてしまった。


だから、恐らく晩ご飯は豪華にする為、お昼ご飯は軽く済ませたいのだろう、

――「焼き飯でいいー?」というお母さんの“小学生時代の土曜日”を蘇らせる声なんて聞こえていやしなかった。

だって私はもう開いてしまっていたから――