プリクラ童話


「……。」

特別家族としがらみがあったとか、仲が悪かったとかはなかったのだけれど、

なぜこんなにも照れ臭いのだろうか。

営業先で饒舌にお喋りが出来る評判の口は、オフモードだからかちっとも音を作らない。


お母さんの質問を放置したまま感じが悪い娘の私は盾突けの悪いドアを閉め、

低いヒールで安定感のある靴を脱いだ。

つっかけの隣、違和感しかない。