「ったく……」



パサッとタオルを頭にかけた


「拭きなよ…。タオルもあげる。」



「………」



「べっ、別にいらないなら……」




「いや、サンキュ」



「っ////」



柔らかい表情で笑う輝



「もうお前は終わったわけ?」



髪をタオルで拭きながら、あたしにそう言う



「まぁね。二回戦敗退。」



テニス経験の無いあたしが、勝てるわけない。



だからと言ってバレーで足を引っ張るのもイヤだったし……



でも本当は……



――ポンポン


「へ……?」



自然にうつ向いていた視線を上げると、大きな手があたしの頭にのっていた


「頑張ったじゃん。」


あたしなんて見てなく、視線を上げたままそう言った輝


「っ……」



悔しい……


何で欲しい言葉をこいつはこんなに簡単に言えちゃうの?



確かに経験がないから、負けるのは仕方ない……



でも本当は凄く悔しい……



負けず嫌いなあたしだから、なおさら……




「な、なによ!偉そうにっ!」