メールの内容はたった一言。


『花梨からケーキのお土産あるから、家にこい。 輝』



たったそれだけの文章


何で捨てられたなんて思ったんだろう……?



何で、必要無いって思もわれたと思ったんだろう……?



あたしはこんなにも、大事に思われていたのに……



ケータイの画面が滲んで見える


「輝のヤツ、卑怯じゃね?このタイミングでこんなメール送ってくるなんて。」


「なっ!!」



後ろから覗くようにして、あたしの携帯を見ている蒼依くん


「ちょ、ちょっと見ないでよっ!!」


「えぇ〜いいじゃん」



「見ないでってばっ!!」



そう言って蒼依くんから逃げるように走り出した


「えっ!?綾香ちゃん!?ストップ!!」


ストップって!あたしは犬か!?



と思いつつ、足を止めていた


「あ・や・か・ちゃん♪」


「………」



でも振り返ったりはしない