「好きなんだ……綾香」



抱きしめられる腕の力が強まるほど、あたしは安心してしまう……



バカみたい……


あたしのことを好きだなんて……



あたしのそばに居たいなんて……


「ウゥ―…」


「綾香……?」



でも、本当にバカなのはあたし……


あたしはずっと求めてたんだ。


“好き”を……


誰かから、愛される“幸せ”を……



「綾香ちゃん、俺はずっと綾香ちゃんのそばにいるから……」



信じてみたかったんだ……



“永遠”を……




――――――――――……


「落ち着いた?」


さっきまで明るかった道が、夕日で赤く染まった道に変わっていた


「うん……」



あの後、何も言わずただ抱きしめてくれていた蒼依くん


その優しさに救われた



「あのさ、蒼依くん……」



「ん?」


「さっきはあり……――♪〜♪♪〜


――ガクッ



あたしの携帯から流れた着信音


「メール?」


「う、うん。」



携帯を開き、中を確認する


「……っ」


「綾香ちゃん?」



あぁ、やっぱりあたしはバカだった……