「……わかった。じゃあおばさん悪いけど、車出して貰える?」


「えぇ。それは全然構わないわよ♪」


あたしが帰りに車で帰れるうに彰ちゃんが気を遣ってくれたんだろう……



「花梨、行こっか」


「うん」



「おばさん、じゃあまた今度」


「えぇ。またね」



そう言ってリビングを出た彰ちゃんを、あたしは追いかけた


もう家の外には運転手が車の前で待っていてくれていた



車の中に乗り込んでからは何故か2人とも会話を交わさなかった……



シーンとした車内で、あたしはただ窓の外だけを見つめていた……




「着きました。私はこちらでお待ちしときますね」



そう言って運転手はあたしたちをマンションの前で下ろし、駐車場に車を進めた


「上がってく?って言いたいところだけど、今誰も家居ないからさ……」


「……え?」



「彼氏がいるヤツを、家に居れたらダメだろ?」


「あっ…そうだよね……」



輝を思い出して、胸がざわついた