「ハァ…花梨……」


荒い息を吐きながら、首元に埋まる相手の顔



肌に触れた途端に、全身に寒気が伝った


体全体が拒否してるはずなのに、指一本すら動かせない……



気持ち悪い……


誰か…!


誰か助けてよっ……


そっと胸に置かれた手



「っ……ひか……る」



助けてっ…輝っ!!



「泣いちゃって可愛いなぁ〜」


ニヤニヤしながら遊ぶように胸にある手が動き出す


「助け……ひか……る」


視界が滲んで頬に涙が流れたその時


――ドカッ


鈍い音が聞こえて、掴まれていた腕が軽くなった


「てめぇっ!何やってんだよっ!!」



男に乗り掛かって、殴り付ける


えっ……どうして?


どうして……彰ちゃんが?