その一言が不安を掻き立てた


と、とにかく早く帰ろっ!


自然と足を早めながら歩く


いつもみたいにイタズラかもしれない……


でも怖くて……持っていた携帯をギュッと握りしめていた



ここを通ったらすぐ住宅街だ……


足早に通りすぎようとした……瞬間


――グイッ


「きゃぁっ!!」



突然細い路地に引っ張られた体


な、何!?



――ドンッ


「痛っ!!」


おもいっきり壁に叩きつけられた体



叩きつけられたというより……押さえつけられてる?

そっと顔を上げると、あたしに覆い被さるようにしてあたしを見る男……



だ、誰……


恐怖で声が出ない。



「会いたかったよ……花梨……」


「だ…れ……」


「メールしたでしょ?会いにいくよ……って」



――ゾクッ


あのメール……この人からなの?


だったら今までのイヤガラセもこの人……?


月の明かりが、相手の男の顔を照らした