「あぁ、行くよ。でも花梨を家に送り届けなきゃいけないだろ」


「あたしなら大丈夫だよっ!それより綾香ちゃんに早く会いにいって?」



「でもっ……」


「ほら、早く!綾香ちゃんは今すぐって言ったんでしょ?何かあったのかもしれないし……」



「花梨……」


「あたしなら本当に大丈夫だから?ねっ?行ってあげて?」



まだ困っているような輝の背中を押した


「ほらっ、行ってあげて?」


「……あぁ…悪いな。帰り着いたら電話しろよ?」


「うん。わかった♪」



ニコッとあたしが笑った後、輝と別れて歩き出した


「空、綺麗だな―っ」


上を見上げながら、ふと呟いた



大丈夫とは言ったものの、ところどころに街灯があるような道


しかも、住宅街とは離れている



だ、大丈夫……だよね?



――♪〜♪♪


着メロがポケットのケータイから鳴る


またイタズラ?



見たくなかったけど、お母さんだといけないから一応開いた


「っ……!!」



な、何よ……これ……


携帯を持っていた手が、震えた


全く知らないメールアドレス


文章はたった一言……



『今から会いにいくよ。』