王子様はご主人様!?



「プリントって、それ?」



もういいや…


今日のところは諦めよう。



心の中で深く息を吐き、輝の元へ近づこう足を一歩前に出した



「あっ、やっぱりいい。」



「……は?」



なにがいいわけ?


「あたしまだ何も見てないんだけど」



背を向けたままの輝に、ブスッとしながらそう言った



「だからいいって。」



……ほんと、意味わかんない。


「いいから、見せてよっ!」



そう言って輝の持っているプリントを奪うため、体を乗り出した


「あぁ―…このプリント……えっ」



あたしが奪ったと同時に見た輝の顔



「……どうしたの?顔、赤く…「言うなっ!」



バッと顔を背け、視線を反らした



一瞬見えた輝の顔は真っ赤に染まっていて、初めて見る姿だった。



「ひか…「花梨のアホ」



「…はあ!?」



アホっ!?


「なんでここでアホなん…「不意討ちすぎんだよ。」



……え?



「花梨のくせに、あんなことしやがって?」



……もしかして



「お前からキスするなんて、百万年早いんだよ!」



……やっぱり!!