王子様はご主人様!?



――グイッ


「え…、っッ…」



襟元を握り、背伸びをしてキスをした



「……っ゙!」



上手いキスの仕方なんて知らないし、勢いが良すぎて、歯が少し当たってしまった



「……っ///」


唯が言った作戦……


そして、あたしがヤるかヤらないか迷っていたこと…



『突然キスしてみなよ。きっとポーカーフェイスが崩れるから』



そんなことを言った唯



今まで迷ってたけど、気づいたら行動してしまっていた



どう?


輝の反応は?!



きっと赤くなっているであろう顔を、必死に上げて輝の様子を見る


「で?」



「……へ?」


「もう少しキスうまくなれよ」



「……は?」



そ…それだけ!?



先ほど同様背を向けて、プリントを見ている輝


あ、あたしの勇気は!?



あたしの努力は!?



「このプリントさぁ―……」



全くあたしを見ない輝


なによ!ちょっとくらい、反応してくれてもいいじゃんっ!



凄い勇気だしたのにっ!



それが『もう少しキスうまくなれよ。』なんてっ…



やっぱり…輝はドキドキなんてしないんだよね……