作り物の王子様のままじゃ、告白なんてしたくなかった。



「ちゃんとした俺を見て欲しかった……」



「……輝」



黒目がちのクリッとした瞳を俺に向ける



「……好きだ。花梨」



「っ……」



驚きの表情で俺を見つめる



……届いただろうか?



俺が花梨に一番伝えたい想い……



好きだという、俺の想いが……



「なんで……」



「え?」



「なんでそんなこと言うの…」



「花梨……?」



花梨の言ってる意味がわからない。



「そんなこと言われたら、諦められないじゃん」



「……え」



「輝はズルい…」


「ズルい……?」



うつ向いている花梨からは表情が分からず、ただわかるのは…肩が少し震えているってことだけ……



「たった一言であたしの心を掴んじゃうんだもん…」


「…それって………」



そんなことを言われたら期待するよ…?



「……す…き」



「…………」



「好きだよぉ―……」



大きな瞳から、ポロポロと涙が流れ落ちる