母が亡くなって

数日後

どうしても

どうしても母に会いたい

と願った。


夢か

幽体離脱か

わからないけれど


幼少時期をすごした母の勤務先

玄関の前にいた。


すりガラスのすきまから

若い母が見えた。


思わずドアをあけ


「母さん!」


とさけんではっとした。



前記〔第4章〕の幼い頃に

体験したあのときだ。


事務所の右奥で

幼い自分がいた。


映画で 

今会いにいきますってあったけれど、



自分のあのとき

反対バージョンだ。