東京都の何処かに広がる広大な敷地。
そこには手入れの行き届いたお屋敷があります。
ここは名門貴族の神乃宮家が住まうお屋敷で在らせられます。
その神乃家、御令嬢の朝は一杯の紅茶と・・・側近執事の罵倒から始まります。


「お嬢様・・・お目覚めの時間でございます・・・早く起きないと学校に御遅れになってしまいますよ」
執事は促すが天蓋に包まれたベッドの中でお嬢様はまだ夢の中で御戯れている様子だ・・・
執事は困ったようにもう一度促すが起きる様子は微塵もない。
どうしたものか・・・と執事は顎に手を当て考えを巡らせる。
自分が一介の執事である限りこの寝ているクソガk・・・もといお嬢様は叩き起こす・・・
何て事は出来るはずもなく、無理に起こすとまた朝から鬱陶しい小言を朝から延々と聞かされる事となる。
それだけは出来れば・・・いや、絶対に御遠慮したい。
執事は軽く咳払いをしてから、静かにお嬢様のその可愛らしい寝顔に近づくと、そっと耳元で囁く。
「お嬢様、起きてください・・・決まった時間に起きるだけなら田舎で放し飼いされているニワトリにも出来ますよ」
執事がそう呟いた時お嬢様の耳がピクッと微かに動く。