「…誰」

弥生が低く言い放った。

校庭には、左から天狗、狐、般若、ピエロの仮面をつけた四人の姿。



「狐は…女性ね。」

心が冷静に分析する。


確かに、狐は髪が長いしスカートをはいている。


「心…あいつらを覗ける?」


「……あの人達、BDみたいよ。」


「!?」

私は四人の姿を目に焼き付ける。


「お出ましってわけかよ…」

不意にピエロの男が、仮面に手をかけた。


ゆっくり仮面を浮かせていき、口元が覗ける。



口元には笑みが浮かんでいた…


「純ちゃん!!」


後ろの階段からことはの声がした。


「ことは!!来ちゃだめ!!」


「へ?何で?」

私はことはの方を見て

「今はちょっと危ないから。

校庭にいるの…」


「?

何が?何もないよ?」


「そんなはず…」

再び校庭に目をやるとそこにあった影はなくなっていた。


「純…あの人達…一瞬で消えた…」


いつも冷静な心が青ざめていた。

この時、戦いの火蓋は切って落とされていたんだ…