「…私に気をとられすぎだよ、シュン」


「……?」


「ほら…聞こえてきた…」

ことはがそう言うと遠くからサイレンが聞こえてきた。

「な…」


シュンは手すりを乗り越えて下を見た。

「んで…なんで…!!」


「呼んだの、私が。」


「そんなことしたら、お前も捕まるんだぞ…」


「私は罪を償う。」

ことははまっすぐシュンを見据えた。


私も下を覗く。


「え…消防車…?」

そこにはパトカーだけでなく、消防車までもがあった。


「それも私が呼んだんだよ。


火事を…起こしたから。」


「火事…ことは…どういうこと?」


「私がここに来る前に、放火した。これで逃げられない…。」


「っは‼俺は瞬間移動の能力があるんだぞ?

逃げられない?そんなことはありえないんだ‼」


「シュン…私達は一緒に仕事をしてきた。」


「何が言いたい…?」