特別機関『GQ』!!

「70はあるわよ。」


「なぜそんなものを…」


「これつけてないと怒られるのよ。妹に。

『お姉ちゃん暴走するから…』だって。よくわかってるわー。ま、一つだけ違うけど」

私がケタケタ笑いながらそう話すと、シュンはギリ…ッと奥歯をかみしめた。


「そんな話は…」


「あなたが聞いたから答えたまでよ?」

シュンは体を硬直させた。


私の後ろに確かに立ったのに、背後をとれたのに、瞬時に立場が逆になったからだろう。


私は今、シュンの前でなく、後ろにいる。


「…速いですね」


「お褒めにいただき、どーも」

《普通に立っていれば移動できるのか…》


さっきの移動できなかった状況と、今の状況を頭の中で比べる。