「あっけない…あなたは驚異的な身体能力をもっているのでは?」
「くっ…そ、れも…瞬間移動という能力の前じゃ…意味、ないで、しょ…」
「ああ、失礼。少しきつく締めすぎましたか。」
シュンはそう言って首を絞める力を弱めた。
呼吸が楽になる。
「そうですか…あなたはもう、私の能力に気づいていたんですね。」
「何度も見たからね」
私は足をゆっくり持ち上げて、鋭くシュンに蹴りを入れた。
シュンは顔を軽くゆがめ、私を解放した。
「かはっ、はぁ、はぁ、はぁ…」
「痛いですね。」
「蹴ったから痛いでしょうよ。」
私は立ち上がり、シュンとの間に距離をとる。
「距離をとっても意味無いですよ?」



