「………」


「………」

二人の間では無言が続く。

エンティがおもむろに、手榴弾に似たものを取り出す。


「安心しな、催涙弾だ。

さあ、どうする!?」

エンティはピンを抜いて、弥生に向かってそれを投げた。


弥生は肘で窓ガラスを割り、室内に風を取り込む。


「『速風』!!」

風がとてつもないスピードで、催涙弾の煙を外へと追いやる。


「…意外と過激だな。」


「あら、私はGQの中で無茶する方よ?」


弥生が笑いながら風を手の中に集める。