男は白衣をひるがえした。

「最近、ノーベル賞を受賞した奴がいるだろ?天才だなんだと言われてる…

でもな、あいつが表彰されたのは、俺が譲ったレポートだと言ったら…どう思う?」


「…あなた、名前は…」


「エンティだ。」

エンティがにっと笑った。


「コードネームじゃない…!!私は本名を聞いてるのよ!!」

弥生が声を荒げた。


「名前なんか無いさ。BDに入る時に捨てた。…K様のために」

エンティは笑みを浮かべながら白衣を脱いだ。