思い出になる前に






察したのか

「そろそろ行こうぜ?可哀相だよ」

後ろにいる先輩はそう言った。

「あ、久美ちゃん悪いね?俊也多分まだ駐輪場にいるよ」

矢吹先輩はウインクをして
「行こうぜ」

ぞろぞろて階段を下りていった。





「はー……」

深く息を吐いて
胸を撫で下ろす。

やっぱり男は苦手。



けど、やっぱり舟木先輩のことが気になる。

「駐輪場……」