思い出になる前に






先輩の後ろには数人また男子がいてこっちをジロジロと見てくる。

舟木先輩はいないみたい。



「誰?」

後ろにいる先輩ひとりが言うと先頭に立っている先輩はニヤッとした。

「今日俊也が話しかけた子」

「俊也が?すげーじゃん」

「だろ?噂の東久美…ちゃんだよね?」

ニコッと先輩は笑った。

噂って……

「自己紹介遅れた!俺俊也と中学の時から友達の矢吹和樹。よろしく」

「は、はい……」

苦手なタイプ…

矢吹先輩はお調子者みたいな感じで

「あり?怖がらせちゃったかな?」

と首を傾げた。