思い出になる前に






「どした?」

「あたしと一緒だなーって」



ブレザーのポケットから携帯を取り出して見せる。

「本当だーなんか気が合うね」

そう笑う先輩は可愛い。

「そうですねー」



赤外線で交換して
先輩はバイクにまたがりメットを被る。

「じゃあ、また」

「はい。ありがとうございました」

ペコッと頭を下げると
先輩は軽く手を挙げた。

「あ!」

「ん?」

聞いちゃおうかなー…

「あ…いや…また

ニコッと笑うと先輩は笑ってまた手を挙げて
帰って行った。