思い出になる前に






家の前についてバイクから降ろしてもらった。



軽くひょいっとあたしの体を持ち上げた先輩は
男の人なんだなって改めて思った。

「久美ちゃん、もっと食べた方がいいよ〜」

先輩はいたずらっぽく笑った。

「いやいや」

「あ!久美ちゃんアドレス教えてよ」

そう言って先輩は携帯を取り出した。

「あ…」

先輩の携帯はあたしのと色違いの携帯だった。





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