思い出になる前に






「ば、バス……」

「え、バス停反対だよね?」

「間違えて……」



普通間違えないってー
って自分に突っ込む。



「久美ちゃんって案外おっちょこちょいなんだなー」

舟木先輩は優しく笑った。

「よく言われますー」

言われないけど。

「んーじゃあ送ってこっか?」

「え!?」



ちゃ、チャリで?

「遠いですよ…?」

「平気だよ。ビューンと」

「ビューン?」

首を傾げる。