隼人くんが立ち去って、わたしも教室へ戻ろうと階段を降りかけたとき。 階段の下の踊り場で、響が立ち尽くしていた。 「ひび……き……」 ドクン。 大きく胸が鳴る。 なっ、何でここに? もしかして……今の、聞かれてた? ど、どうしよう……。 わたしはパニックになりながらも、くるりと踵を返すと、階段を駆け上がる。 「初音!」 背中から響の声が聞こえる。