恋愛感情はもてなかったけど……。 隼人くんのこと、好きだったのは事実。 じゃなきゃ……隼人くんと付き合ってないよ。 「ありがと。それ聞いただけでほっとした」 隼人くんが今日、初めてわたしに見せてくれた笑顔。 そう、この笑顔なんだよ。 この笑顔がわたしは好きだったんだ。 「じゃぁ、これからもずっと友達で……」 隼人くんが右手を差し出す。 「……うん」 わたしもそっと右手を出して。 半年振りに握った隼人くんの手は、とても冷たく感じた――。