「初音ちゃん、一番前なの?」 クラスでも優等生の亜子<あこ>が声を掛けてきた。 「ん、まぁね……」 あーもう、一番前って言葉、大ッ嫌いになったよ。 「それ、代えてもらうこと、出来る?」 「へっ?」 「最近、黒板の字が見えにくくなっちゃって…… 初音ちゃんがよければだけど……」 「いいっ、全然いいっ! そうだよね。わたし、よく見えるからさ!」 神様はわたしのこと、見捨ててなかったのね。