その瞬間に、ドクンとわたしの胸が大きく鳴った。 な、何? 一気に心拍数が上がる。 ちょっと……嫌な予感がするんだけど……。 異常なまでの心臓の動きにわたしはついていけずにいた。 っていうか、わたし、響の事、嫌いだよね? 今回は助けてもらったけど……嫌いだったよね? 嫌いだった……。 そう過去形にしている自分にはっと気づく。 わたし……どういうこと……? 自分自身の状況を飲み込めずにわたしは響の腕の中にいる。 響の規則正しい鼓動だけがダイレクトに伝わってきた――。