「初音? 入っても大丈夫?」 「ん、大丈夫」 わたし、そう言いながら、そっか、響はわたしのメイク直しを見ないように部屋を出て行ってくれたんだ……と分かる。 そんなところまで気を使ってくれてたんだ……。 ちゃんと女の子のこと、分かってるじゃん。 ふわ~っと毛布に包まれたように温かくなる気持ちとは裏腹に、やっぱり慣れてるからかな……と思ってしまう自分もいる。