ロータリーには黒のベンツが止めてあり、運転席にはもう一人誰かが乗っていた。 はっ? まだ、いるの? っていうか…… この状況、ヤバくない? このまま車に連れ込まれたら、確実にやられるよね? わたし……。 それだけはイヤ。 ムリ! だ、誰か……本気で助けて! 「初音!」 神にもすがるような思いが通じたのか、聞き覚えのある声がわたしの名前を呼んだ。