「今、どこにいんの?」 「今? まだ虹羽の家の近くだけど……」 「一人?」 オレは薄手のジャケットを羽織って、家を出る。 「ううん。虹羽もいるよ。駅まで一緒に……にっ、虹羽?」 「初音?」 「もしもし?」 電話の主が代わっていた。 どうやら、初音の携帯を虹羽が取り上げたらしい。