「さ、帰るか……」 オレは初音に背を向けると、校舎に入る出入り口に足を掛ける。 初音は顔を赤らめて、そこに立ち止まったまま。 「帰らないの?」 「かっ、帰るわよっ!」 照れた自分を隠すような初音の声。 それがすごくいとおしい。 真っ赤な顔で近づいてくる愛しい初音。 オレはそんな初音の様子を見ながら、口にキスをしたら失神しそうだな……と、そんなことが頭を掠める。