ちょうどオレの胸板あたりにある初音の顔。 そこから流れ出る言葉がオレの胸から体中に染み渡る。 「……もうちょっと……待って……まだ、ドキドキしてて……」 オレはそういう初音の顔を横からチラッと盗み見る。 熟れたりんごみたいな真っ赤な顔の初音。 うそ……じゃないんだよな? 「なぁ……もう一回、初音の気持ち、聞かせてよ」 「えっ?」 微かに初音が顔を上げる。