オレはただ、ただ、初音を抱きしめる事しかできない。 初音がオレを抱きしめ、このままで話したいと言ったことに、正直、オレもホッとした。 初音の顔を見ながらでは、オレの焦りや不安や恐怖心や……オレの畏怖心が初音にモロに分かってしまうのも怖かった。 初音からどんな言葉が出てくるのか分からない。 そんな恐怖心も初音には見せたくなかった。 初音の言葉で落胆したオレの姿を――。