言葉を発して、ハッと思った。 嫌いじゃないって……それって、裏を返せば、好きってことだよね? 「よかったぁー」 響がそう言うと、わたしを彼自身から引き離した。 響はホッとしたような顔をしている。 まれに見るやさしい顔。 こんな顔、最近、わたしに見せてくれたこと、ない気がする。 「響?」 わたしの目の前で響が大きく一呼吸する。