わたしより背の高い響はちょうど見上げると、スッとしたキレイなあごのラインが見える。
この位置から響を見たのって、初めてだ。
それもそうだよね?
わたしを抱きしめている事自体、ありえない。
というか……。
響って、わたしのこと、嫌いなんだよね?
大ッ嫌いなんだよね?
もしかして……なんて、ありえないよね?
「……あのさ、お前、オレの心臓の一番近いところにいるわけだろ?
オレがすげー緊張してんの、分かんねーの?」
「はぁ?」
わたしがそう言うのと同時に、響の手がわたしの頭に触れたかと思ったら、さらに響の胸に頭を押し付ける。

