逃げねーの? って……。 そ、それはさ、どう答えたらいいわけ? そんなの、大好きな人に抱きしめられて、逃げるわけないじゃん。 でも、響こそ……。 わたしを抱きしめて、イヤじゃないの? 「……それが……初音の返事?」 「えっ?」 「オレの……都合のいいようにとっていいわけ?」 「はっ?」 都合のいいように? わたしは、埋めていた顔を上げた。